12人の優しい日本人。

16時半に仕事は諦めて横浜へ。

高校時代の同級生のまんぼ君が携わっている

演劇を見に行きました。



タイトルが『陪審員たち』ということで、

「えらい社会派なテーマだなぁ」

ぐらいにしか思ってなかったけど、

見てみたらすごく面白くて引き込まれました。

十二人の怒れる男』の

日本バージョンみたいな話。



罪を裁くということについて

今までの人生で深く考えたことは

全然ありませんでした。

弁護士になりたいという人が

いったい司法の何に興味を持つのか

理解できなかったし。

が、身近に絶対いる感じの

やる気ない兄ちゃんや

めちゃくちゃ普通のおばちゃんとか

(しかしながらそれぞれに全く違うキャラ)が

次第に真剣に裁判について

議論をしはじめる姿を見ていたら、

何かその意味のようなものが

微かに分かりかけたような気がしました。

情熱、とかいうものではなくて。

なんなんだろう。

強いて言葉にするなら、

本質的な善とか絶対的な悪なんてものは

存在しないということでしょうか。



あ、個人的にはやはり

テレビと舞台の違いというのに

興味津々で見てました。

当たり前なんだけど、

フォーカスが当たってる人以外の人も

舞台上では芝居をしているわけで。

そういうのが新鮮で面白かったです。

カットで切り取られることのない

全体としての世界。



あとは音に関して。

すごく効果的だと思ったのはドア。

鉄扉がショッキングで良い音。

舞台音響というと

スピーカーはやたらたくさんあるし、

定位とか考えるの大変そうだけど、

結局スピーカーを通さない生音が

一番よいと思いましたねぇ。

ただそこにドアがあるというだけで使える

ナイスアイテムだよなぁ。

SE的には雨や空調などがあったけど、

フェードのしかたに違和感があったかな。

特に雨が。

途中でいきなりぐっと幅が狭くなって

「ん?」と思ってしまった。

消えるのも見えちゃうし。

でもまぁ難しいよな。

他に何も音がないから

ああせざるを得ないか。

うーむ。



ラストの曲は張りつめた空気がぱっと緩んで、

穏やかなエンディングを導いていて

とても素敵だと思いました。



まぁ色々書いたけど、

なんにせよこういうふうに

人の感情をざわざわさせる作品を

作り上げられること自体が素晴らしいよ。

これからもこっそりと応援していきたいです。