オーロラになれなかった人のために。

卒論の誤字脱字をチェックした。明日製本に出す。
これで僕のやるべきことは全て終わったわけだ。
あとは、卒業するだけ。それでおしまい。

トンネルになったような気分。
時々そういうふうに感じることがある。
自分がトンネルになって、
色んな人が訪ねてやってくるのね。
入り口から入ってきて、「やぁ、こんにちは」って。
そして、しばらくしてみんな出口から出て行く。
僕の中をすっと通り抜けていく。通過点としての自分。
「またね、バイバイ」
そしてまた誰かが入ってくるのを待つ。

動きなさい。探しなさい。

色々な人と知り合ったよ。
でも、ふと、何をしても結局同じな気がしてしまった。

父の実の父親が死んだらしい。
遺言の検認の関係で、書類が家裁から届いた。
お金が入るのかなって、みんな必死だ。笑えない。
生きてくのって大変だとつくづく思う。
いさかいは絶えず。

誰かのために生きてるわけじゃないんだけど、
何かとても悲しいの。
必死の形相で、あるいは空白の心で、
彼らは何を目指して歩いているのか。
僕はみんなが通過していくのを
見ているだけしかできないのだろうか。

いなくならないでください。
姿を消さないでください。
僕はトンネルじゃない。
社会に飲み込まれる前に、
「何かを確かに得た」という揺るぎない実感が欲しい。