(前の続き)

ところがね、建樹氏の音楽は、
聞いても聞いても何やってるんだか
さっっっっぱりわからないんです。
僕は複雑なテンションコードを連発されると、
何もわからなくなってしまう。
しかも、彼の音楽はしばしばすごいコード進行が出てきて、
ほんとに、それは今まで出会ったことのないような、
ジャズじゃないのに、耳あたりよくさらっと流れていくのに、
一歩間違えたら郷ひろみみたいな曲だってあるのに、
僕は彼の音楽を、聞いただけでは捉えることができない。
そしてさらに、小林建樹はギター弾きであると同時に
ピアノ弾きでもあるんだから!
このことは、なんちゅーか、ものすごく僕に勇気を与えてくれるのです。
入れないと思ってた領域に入るきっかけが見つかったような。

ほんと聞けば聞くほど、この人すごいんだって。
一部の批評家からは、作りこまれすぎてるとか
呪文のようなわけのわからない音楽だとか、
色々と酷評されてるみたいだけど、
そんなものはくそくらえだ。

今、思い出すだけで涙が出るフレーズを心の中に持てて
僕はすごく幸せだと思います。