獣欲ウルトラ。

昨日の殺人の話。

なんか昨日の時点では、
「捕まって死刑にしてほしいだ〜? 
そんなん勝手に自分で死なんかいっっ!」
とか普通に思ってたんだけど、
今日の朝刊見て、ちょっと自分の中で考えが変わった。

侵入から15分後、取り押さえられたときの状況の説明で、
「宅間容疑者は暴れることもなく、興奮した様子もなかった。
『しんどい』と言ったという」
って書いてあったんだけどね、
これを読んだらなんか・・・。
ものすごい不謹慎な発言ではありますが、
なんか、なんかこの人かわいそうって思ったのね。

新聞の文章読んだだけだからさー、
実際に現場見たわけじゃないしー、
んー、勝手に自分の中でドラマのように
映像が再構築されているので、こんなことが言えるのかもしれんけど、
この文脈だけで読むと、このセリフすごく重く響きませんか?
人殺しまくって、その後ぽつりと一言「しんどい」ってさ。
どーにもこーにもやりきれなくなるじゃないですか。
「しんどい」って。
この人から感情が逆流してくるような気持ちになりました。

そうするとですね、昨日の時点でこの事件に対して
直感的に抱いていた嫌悪感のようなものは、
一気にすごく薄まってしまって。
宮崎勤みたいにさ、異常性欲を満足させるために殺す、
みたいなのとは全然違うじゃん。
壊さずにはいられないって、
あの、決してこの種の破壊衝動を美化するつもりはないんだけど、
やっぱり切なくなります。
どこか、わかるような気がするので。

もちろん、亡くなった子供たちと
親御さんやその周囲の人たちのことを思うとねー、
こんなことは言えないし、当事者の目から見れば、
宅間容疑者には怒りしか感じることはできないのだろうけど、
僕のような第三者の視点から見ると、
両者に(異なった種類の)悲哀を感じざるを得ません。
被害者も加害者も犠牲者だったのではないか、と。

大体さ、この人の人生なかなかハードボイルドよ。
父親のインタビューが載ってたけど、
「あいつには『死ね』と言いたい。
20年ほど前に勘当し、住まいも知らなかった」
ってさー、ちょっとどーなのよ?
20年前ってことは、まだ17才とかのときでしょ。
慌てて学校に迎えに来てもらえるような、
愛情いっぱいに育てられた子供たちと
非常に対照的じゃないですか。

理不尽な世の中だと思う。