好き。

という田中麗奈主演のオムニバス3本立ての
ビデオを借りて帰ってきて、見ました。
チャーシュー麺」「波」「テンカウント」の3本で、
それぞれ時代設定も登場人物も全然違うんだが、
とにかく3つとも田中麗奈がヒロインなのね。

個人的に1番好きだったのは
最初の「チャーシュー麺」ってやつ。
1959年横浜。
ラーメン屋で働く田中麗奈
街のごろつき高橋一生との
一瞬の心の交流を描いたものなのですが、
なんかね、時代がよかったなぁ。
1959年の横浜がどんなだったのか、
僕がそこで生きることは絶対にもうできないんだけど、
突然その時代への憧憬を感じました。

あの〜、そういえばこの前
新横浜にあるラーメン博物館ってのに
行ってきたんですけどね、
んと、建物の中に昭和33年の街並が再現してあって、
手元にあるパンフを引用すると、
「戦後の高度経済成長の右肩上がりの発展の中で、
日本人が置き忘れてきてしまったかもしれない何かを、
それぞれに感じていただきながら、私どもが全国を食べ歩いて
発掘・誘致してきたラーメンを召し上がっていただきます」
っつー所なんですね。
んで、さっき気づいたんですけど、
時代設定がだいたい同じ時期なんですな。
ラーメン博物館と「チャーシュー麺」は。

僕が行ったときは、なんか混んでるし、
街並もいかにも作りもの〜って感じで
あんまおもしろくなかったんですけど、
映画の中では、あの熱に浮かされたような高揚感と
翻弄されて生きる人の喪失感みたいのがすごくよく出てて、
明日からはホント夕焼けを見るたびに
ため息が出そうです。

「おい、お前チキンラーメンって知ってるか?
お湯をかけるだけでラーメンができるんだってよ。
しかも35円もするらしいぜ。今度出るんだって」

「この縞々が桃色になるんだ。
なんだよ、それじゃフラフープってよりか窓拭きだな」

ラムネのビー玉がちゃりーん。
甘酸っぱい。

田中麗奈の三角巾姿が奥ゆかしくてかわゆい。
あと、高橋一生は以前「少年たち」ってのに出てて
僕が誉めまくってた人ですが、
やっぱこの人は、心に傷を背負った青年役(笑)
が妙に似合うんだな。
リリイ・シュシュにも出てるらしいので、
ぜひ見てみたいです。