ギターという楽器。

ピアノを習う人というのはすごく多く、
たぶんあらゆる楽器の中で一番多いので、
ピアノの学習法というのは、なんというかものすごく完成されていて、
どんなことをどういう順序で、何を使ってやるべきかというのが、
しっかり確立されてると思います。
ところが、その他の楽器について見てみると、
これがもう信じられないほど、確立されていません。
例えばギターという楽器は、かなり人気があり、
ギターが弾けるようになりたいなー
なんて思ってる人はたくさんいるはずなのに、
効率的にギターを学べる教則本というのは皆無です。


ギターは非常に難しい楽器だと思います。
その理由は、指板上の音の並び方が極めて不規則だからです。
ピアノみたいに順番にドレミファソとは並んでいません。
しかも、同じ音がさまざまなポジションで出せたりします。
僕は、ギターが自由に弾けるようになるためには、
このランダムに並んだ音をすべて(12フレットまで)
覚えることが絶対に必要だと思っています。
つまり、ある弦のあるフレットを指差して、
ここが何の音なのか分かる、ということです。


しかしながら、世に出てるギターの教則本を見てみると、
たいていコードフォームを覚えることに主眼が置かれています。
Cはこう、Amはこう、Fは難しいけどこう、みたいな。
でも、これではただ手の形を覚えてるだけで、
構成音がわからないし、読譜もできないし、
音楽的に応用がきかないのです。
確かにコードフォームを覚えるのは必要だけれども、
最初にやるべきは、やはり単音だと思う。
ファーストポジションの音をすべて把握してから、
ローコードを覚えるべきだと思う。
それからいろんなポジションでスケールを練習して、
その都度新しく出てくる12フレットまでの音を
1つ1つ覚えていくというのが理想。


ところが、これを実践できる教則本というのはないです。
『ギターだ〜いすき』はクラシックギターの本で、
単音を順番に2つずつ(ミとファとかね)
1ポジ、5ポジ両方いっぺんに覚えていくという構成はいいけど、
最初のほうとか死ぬほど単調で、
こんなんやってたらたぶん音楽が嫌いになるでしょう。
やっぱ先生との2重奏を入れて、
音を覚えながら、楽しく音楽的な合奏ができるという作りのほうがいい。
『モダン・メソッド・ギター』はその点ではいいけど、
とにかく超スパルタで、難易度が高すぎる。
1ページに内容がつまりすぎてるっつーか、
一気に覚えなくちゃいけないことが多すぎて、
せっかくいい本なのに、これでは挫折してしまいます。
もっと段階追って、ゆっくり進められる作りになってればよい。
あと、この本はピックで弾くことを前提としているので、
指で弾くときのことについて触れてないのはよくない。


これらを網羅した本を出したら、大ヒット間違いないと思うんだけど。
誰か書いてくれませんかねぇ・・・。